掌蹠膿疱症 (しょうせき のうほうしょう)

古い話題ですが波悦子のワイドショーで一躍知れ渡りました。
手のひらや足の裏(特に土踏まず)など角質の厚いところに小水疱や黄白色の膿が点々とできます。これが次第に独特の茶褐色ににごり、かさぶたになります。最終的にカサブタが剥がれ落ちます。そうなると皮膚が紅くなり炎症反応がみられます。かゆみはある場合もない場合もあります。まれに手のひらや足の裏以外の膝などにもみられることがあります。膿はあってもヒトには感染しません。
同時に爪の変形―爪の表面が点状にへこんだり、爪が濁ってがさがさする状態も見られます。
合併症として関節痛(とくに胸や腰)があります。 海外では尋常性乾癬と同じ疾患と考えられています。 
原因は病巣感染(多くは扁桃腺、副鼻腔炎、中耳炎、虫歯や歯槽膿漏など)や歯科金属アレルギーが関係していることもありますが、はっきりした原因はわかっていません。
治療はビタミンD3やステロイド外用剤の外用療法が基本で、病巣感染を抑えるために抗生剤の長期内服のほかビタミンA酸(レチノイド)の内服療法が使われます。その他紫外線療法(PUVA・ナローバンドUVB療法・エキシマレーザー)が有効です。明らかな病巣感染が疑われた場合は扁桃腺の摘出や虫歯、中耳炎の治療でよくなる場合もあります。金属アレルギーのある患者さんでは歯科金属などが原因となっていることがあるため、この治療をすることで軽快することがあります。かゆみがある場合は抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤を内服します。
患者さんによって異なりますが、平均3-7年で軽快すると言われています。当院ではレチノイドによる治療からPUVAやナローバンドUVBによる治療はもちろん、金属アレルギーの検査や関西医科大学とのタイアップによって扁桃腺との関連を調べる検査もおこない可能な限り対応しています。