エクリン汗腺の機能亢進で生じる病態で、原発性と基礎疾患を持つ続発性のものがあります。
原発性のものは、
- 25歳以下で発症
- 家族歴をもっている
- 日常生活に支障がある
- 左右対称性に生じる
- 睡眠中は生じない
- 1回/週以上の発症
という5つの特徴のうち2つの症状を認める場合を言います。
手掌、足底、腋窩に生じます。
治療は20%アルミニウム水溶液(自費薬ですが廉価です)の塗布、イオントフォレーシス(保険適応)や抗コリン性鎮痙剤や自律神経調整剤の内服を行います。ボトックス局所注射は有効で推奨されますが、保険適応がなく治療コストが極めて高額となりますので、当院では現在のところ行っておりません。胸部交感神経遮断術(Endoscopic throracic sympathectomy ETS)についてはご説明致しますが、代償性発汗が問題でご本人の充分な理解が必要です。最近では原発性腋窩多汗症に対して、エクロックゲル、ラピフォートワイプが上梓され有効です。