尋常性白斑
尋常性白斑は、後天的に全身の様々な場所に色々な大きさで皮膚の色が白く抜ける(白斑)病気です。メラノサイト(色素細胞)が変性・消失するために生じます。
原因は自己免疫(抗メラニン・メラノサイト抗体)、メラノサイト自己崩壊、末梢神経の色素細胞に対する作用(末梢神経因説)などが考えられています。
臨床的には
- 体の一部のみに見られ汎発型へ移行する「局在型」
- 左右対称性に生じ尋常性白斑の2/3 – 3/4を占め最も多い「汎発型」
- 神経の通り道に沿って片側性に生じ難治な「神経分節型」に分けられます。
またこの疾患は甲状腺疾患、アジソン病、悪性貧血、糖尿病などを合併することが知られており、この検索をする必要がある場合もあります。
治療には特効薬はありませんが、ステロイド外用薬、活性型ビタミンD3軟膏を基本に使い、光線療法や光化学療法を組み合わせます。当院には大学病院以外あまり設置されていないPUVA、全身型narrow-band UVB照射装置、エキシマライト(VTRAC)を使用します。特に広範囲の汎発型では全身型narrow-band UVB、限局型ではVトラックが強力で有力な治療手段です。
参考情報